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太陽光パネルの「2030年問題」 大量廃棄時代に備えるリサイクルとリユースの現場

2030年以降に待ち受ける「太陽光パネル大量廃棄時代」にどう対応するか

2030年以降に待ち受ける「太陽光パネル大量廃棄時代」にどう対応するか

 近年、世界的に脱炭素が叫ばれるとともに、ロシア産石油の禁輸や過度な円安により電気代が高騰するなか、自然エネルギーへの関心が一気に加速している。ただ、これまで資源を外国に頼り続けてきた日本は、「自然エネルギー大国」を目指すうえで課題は少なくない。

 地球温暖化防止のため脱炭素化に取り組む東京都は、新築一戸建ての太陽光パネルの設置を各家庭で義務化する条例を今年度内に成立させる方針だ。

 全国で初めての条例となるが、課題はある。20~30年で耐用期間を終える太陽光パネルは2030年以降に大量廃棄が発生。現在、廃棄パネルの処理はほぼすべてが埋め立てだが、このまま再資源化が進まなければ、埋め立て処分場が逼迫すると予測される。これが太陽光パネルの「2030年問題」だ。

太陽電池パネル廃棄見込量の推移

太陽電池パネル廃棄見込量の推移

 ガラスと金属と樹脂がピッタリ密着したパネルは、素材ごとの分解が難しい。しかも、鉛やカドミウムといった有害な重金属も使用されているため、埋め立て処理は土壌汚染も懸念される。

 そこで、複数の企業が効率よくパネルを再資源化する事業に挑戦している。「パネルを破砕し、ふるいで素材ごとに分ける」「研磨剤を噴射してガラスを剥離させる」「ホットナイフを差し込んで剥がす」など各社が知恵を絞るなか、「熱分解処理」でいち早く成果をあげたのが新見ソーラーカンパニーだ。

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