相続税の申告は、親(被相続人)の死後10か月以内に済ませなければならない。死後の手続きは多岐にわたるが、なかでも相続税の手続きは不動産、預貯金をはじめあらゆる財産を確認しなければならず、煩雑を極める。
「税務署の調査は申告直後ではなく、1~2年後に行なわれる可能性が高い。相続税の延滞税は原則、1年分が上限となるので最大限徴収するのを狙ってのことだと考えられます。最近はコロナ禍の影響で調査件数が半減していたので、これからはその分が増えるかもしれません」(岡野氏)
そして、これは税理士に依頼しているから安心というわけではない。
「約8万人いる税理士の9割は会計分野の申告をメイン業務にしており、相続税の土地や名義財産等の評価には慣れていません。相続専門でなければ年に一度扱うかどうかのため、税理士に依頼したのに調査が入ることはよくあります」(岡野氏)