コロナ禍とウクライナ戦争のダブルパンチによる物価高騰が家計を圧迫している。さらには、20年ぶりの水準となる1ドル=130円台を突破。自力では抜け出せそうにない「超円安サバイバル」だが、はたしていつまで続くのか──。
都内在住の50代主婦がスーパーマーケットで買い物をしながら眉をひそめる。
「毎月の値上げラッシュで生活が本当に大変です。それなのに夫の給料はまったく上がらず、出ていくお金が増えるだけ。しかも6月からはさらに値上げがあると聞き、気が滅入るばかりです」
いまのところ値上げラッシュが収まる気配はない。これまでの食品や日用品、飲料などに加えて6月からはインスタント麺類やアルコール、香辛料などの価格がアップし、一般市民の懐はいっそう苦しくなるばかり。
その要因の1つが円安だ。為替は4月28日に20年ぶりに1ドル130円台を記録し、以降も130円前後が続く。今後も円安が加速すると指摘するのは、経済評論家の加谷珪一さんだ。
「円安の要因の1つは日本銀行の量的緩和策です。日銀はこの政策を変更する気がないとみられ、今後も円安が進みそうです。1ドル130円は最低ラインで、年内には1ドル150円の超円安になる可能性が充分にあります」(加谷さん)