投資情報会社・フィスコが6月6日~6月10日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融正常化に向け、6月、7月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合でそれぞれ0.5ポイントの追加利上げを計画しており、金利先高観を背景にドル買い・円売りが続く可能性は高いとみられる。バイデン米大統領はイエレン財務長とともにパウエルFRB議長と会談し、金融当局としての独立性を改めて強調したが、その一方で、約40年ぶりの高水準に達したインフレを抑止する必要があるとの考えも伝えている。FRBはバイデン大統領の意向に沿って金融引き締めの姿勢を堅持することになりそうだ。
今週発表される経済指標では6月10日発表の5月消費者物価指数に対する関心が高いようだ。インフレはピークを越したとみられるものの、高水準なら金利高・ドル高の地合いとなろう。ドル・円は5月9日に付けた20年ぶりの高値131円35銭が意識され、131円近辺から131円台前半の水準ではドル売り・円買いが強まるだろう。ただ、何らかの要因で直近高値を超えることができれば、1ドル=132円台に切り上げる展開が予想される。
【米・5月消費者物価指数(CPI)】(10日発表予定)
10日発表の米5月CPIは前年比+8.1%(前月+8.1%)、同コア指数は前年比+5.9%の見通し。5月のインフレ率が高水準を維持すれば、FOMCのタカ派的な見解を正当化し、金利高・ドル高の要因に。
【米・6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(10日発表予定)
10日発表の6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は59.0と、5月の58.4を上回る見通し。個人消費の増大は高インフレの要因として注目され、金利高・株安・ドル高が見込まれる。