大切なのは自分の心の“生煮え感”をなくすこと
再チャレンジにあたり、「新卒」にこだわらないという選択肢もある。
「いったん社会に出てしまうというのも、ありだと思います。特に若年層は異業種からの転職も当たり前だし、志望していない業界の会社で働いてみたら、案外発見があるかもしれない。それでも元々志望していた業界への憧れが消えないなら、そこでもう一度考えてみてもいいですよね。
働いている間にも、志望業界で働く人たちに話を聞いて、どういうルートでその職についているのか知るのは有効です。さまざまなルートがあることを知るかもしれないし、自分のやりたいことと、向いていることが案外別にあるかも、と気づくこともあるかもしれません。大事なのは、自分の心の“生煮え感”をなくすことです。納得いくまで就活をやったのかどうか、ということですね」
今の就活生は、学生生活の大半をコロナ禍で過ごしてきた。常見氏は、「学生生活に対する思いはそれぞれあることと思います」としたうえで、「でも、もう経済は動き始めている。だからまずは、今何ができるのかを必死に考えて、学生生活を楽しみ尽くしてほしいですね。その際、やはり忘れてはいけないのは、なぜ自分はもう1年就職活動にこだわるのかということ。のんべんだらりと遊んでばかりだと、単純に1年出遅れるだけになってしまいます」とエールを送る。
目まぐるしく変化していく社会を生き抜いていくために、その瞬間瞬間で後悔しないよう、自分自身で納得のいく選択をしてほしい。