「店主の“こだわり”にお金を払う価値がある」
少し前までは1杯500~700円程度で食べられるラーメン店が主流だったが、最近では1000円を超えるラーメンを提供する店も増えている。もちろん、“安くておいしい”に越したことはないが、ラーメンファンのなかには高級なラーメンを味わいたいという人もいる。都内に住む会社員のAさん(40代男性)は、大体1000円以上のラーメンを1週間に2~3杯食べるという。
「1600円のラーメンは滅多に食べられないと思うのですが、普段食べるラーメンでは、1000円以上のものを選ぶことが多いです。私が食べたいのは、“普通”のラーメンではなく、“こだわって作られたラーメン”なんです。店主のこだわりを体験するためにお店に行く感じで、そこにお金を払う価値はあると思います」(Aさん)
700円くらいのラーメンでは、もはや物足りなさを感じることも増えてきたというAさん。
「安くておいしいラーメンはたくさんあるんですが、味は“想像の範囲内”のことが多い。まあそんなものかな、という感想になりがちです。私が求めているのは、想像もしていないような感動です。“高いワインを飲んでみたい”とか、“高い牛肉を食べてみたい”とか、そういう感覚に近いですね。まあ、1000円程度では、そこまで突出したラーメンに出会えることはないんですが、それでもやはり高いラーメンには、それ相応の魅力があると思います」(Aさん)
高級な飲食店に行くのは躊躇するが、高級なラーメン店ならそこまで敷居も高くないと考える人もいる。神奈川県に住む会社員Bさん(30代女性)は、こう話す。
「例えば、高級店の場合、ディナータイムは高いし、かしこまった雰囲気で緊張するけど、ランチタイムなら気軽に、2000円くらいでおいしいものを食べられる。高級ラーメン店は、そのランチタイムの感覚と似ています。ちょっとした高級感を楽しめて、おいしいものが食べられる。もちろん、お店の雰囲気なども重要ですが」(Bさん)