瀧さんによれば、アメリカのプロバスケットボールリーグNBAでは、年間数億円稼ぐ選手たちが破産するケースが後を絶たないという。
「ラグジュアリーな世界に生きる人たちの消費は青天井です。ライフプランがままならないままそこに照準を合わせてお金を使い続ければ、いくら稼いでいてもあっという間にすっからかんになってしまう。最終的に税金さえ払えなくなってしまった選手も少なくないそうです」(瀧さん)
適切な運用に加え、何にお金を使うべきか吟味する力も必要だ。精神科医の樺沢紫苑さんは、「ドーパミン的幸福」の罠に陥らないことがポイントだと主張する。
「買い物やお酒、ギャンブルなどにお金を使った際に気分が高揚するのもドーパミンが分泌されるためですが、その幸せは長くは続かない。一方で、赤ちゃんを抱いたりスキンシップや楽しい会話、ボランティアなどの社会貢献など親切をして感謝されたときに出る脳内物質である『オキシトシン』がもたらす幸福は目減りしづらい。
つまり、家族のために使ったり、自分の健康や勉強などの自己投資にお金を回せば、オキシトシンが分泌され、穏やかな幸福感が長く続く。また、オキシトシンにはドーパミンを抑える働きもあり、大金が入ったことによる欲望の暴走も防いでくれます」(樺沢さん)
もし突然、大金を手にするようなことがあれば、まずは冷静になり、上記の注意点を心がけて生活したい。
※女性セブン2022年6月23日号