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世界のアスリート長者番付 女性が活躍できる団体競技が少ない現実

世界アスリート長者番付の19位にランクインした大坂なおみ(写真/共同通信社)

世界アスリート長者番付の19位にランクインした大坂なおみ(写真/共同通信社)

 その華麗なプレーで私たちを魅了し、世界で最も年収を稼ぐアスリートは誰か? そんな興味深いアスリート長者番付トップ50を、米経済誌『フォーブス』が5月に発表した。その上位を見ると、1位のリオネル・メッシ(サッカー/アルゼンチン)の総年収1億3000万ドルを筆頭に、2位レブロン・ジェームズ(バスケットボール/米国)、3位クリスティアーノ・ロナウド(サッカー/ポルトガル)、4位ネイマール(サッカー/ブラジル)、5位ステファン・カリー(バスケットボール/米国)と続く。ベスト10に入った選手の総年収は、それぞれ日本円換算で100億円を超えている。

 この錚々たるスター選手の顔ぶれを見ながら、スポーツマネジメント分野に詳しい、産業能率大学情報マネジメント学部兼任教員の須賀優樹さんは次のように話す。

「サッカーではメッシ、ロナウド、ネイマールという3人がずば抜けていますが、サッカーの平均年収は国やリーグでかなり違うのが実情。その点で、全体的にはアメリカのプロスポーツの平均年収の高さが際立っています。

 というのも、NBAのレブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、ケビン・デュラント(6位)、ヤニス・アデトクンボ(10位)、NFLのトム・ブレイディ(9位)あたりは、アメリカのプロスポーツリーグの大スター。つまり、アメリカのプロスポーツの方が、スポーツビジネスとして収益を稼ぐのをうまくやっている印象があります」

 ちなみに、同アスリート番付の上位50人を競技別にみると、トップがバスケットボールの18人で、14人のアメリカンフットボールが続き、以下、サッカーが5人、テニスとゴルフとボクシングが各3人、自動車競技が2人、野球と総合格闘技が各1人だ。

「もう1つの特徴は、サッカーやテニスなどの選手は、競技収入とは別に、広告収入などフィールド外収入がかなりの割合を占める点です。これは、ブランド的価値が本人たちにあるということ。

 男性アスリートがキャリアを重ねてそれを高めるのに対し、女性アスリートは若さがセールスポイントになる傾向があり、大坂なおみ選手の成功はその典型。ただ、テニスが4大大会の優勝賞金を男女同じにするなどジェンダーギャップ解消に積極的な一方、WNBA以外に女性が活躍できる団体競技のプロリーグがあまり見当たらないのも現実なのです」(須賀さん・以下同)

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