これにポカーンとしたのです。意味としては「何度も機会を与えられたら成長して、成果を出すことができるので、とにかく今は失敗してもいいから仕事をたくさんすればいいんじゃないですか?」というものです。
私が若手社員だった時代は、「打席に……」はよく使われていたのですが、そもそも野球の知識もなければ興味もない彼女にとっては、まったく未知の言葉だったようで、あらためて上記のように説明して納得してもらいました。
「お前なら逆転満塁ホームランを打てる!」
こんなオッサンたちが仕事の場で使いがちな「野球用語」は他にもたくさんあります。意味と用法とともに解説します。
【変化球】
ありきたりな企画ではなく、先方の意表を突く意外性のある企画やアイディアのこと。「今回のプレゼンは、王道の案2つと、変化球を1つ混ぜて先方の反応を見てみよう」
【全員野球】
メンバー全員がさぼることなく一体感をもって最大限の力と努力を発揮し、成果をあげること。「今回の競合プレゼンは、何としても勝ちたい。全員野球で勝利を掴み取ろう!」
【我が社のエースで四番】
重要な案件を扱うにあたり、取引先企業に対し、自社の最優秀社員を連れてきた時の紹介のやり方。「御社のような大事なお客様には、我が社のエースで四番・田中を連れてきました。これまで○○や××などのプロジェクトを成功させてきた男です」
他にも色々ありますが、私自身の経験では、かつて会社を辞めようとした時、自分の所属していた局の局長と毎週「辞めるんじゃない」「いや、辞めます」の面談を重ねていました。私は当時、入社4年目でまったく仕事の成果をあげてこられなかったという思いもあり、その会社では通用しないと考えていたんです。その時、局長のS氏が言った言葉がコレです。
「ウチの局には、二塁打ぐらいなら打てる3割バッターは何人もいるんだよ。でもな、そういうヤツだけでは試合には勝てないんだ。でも、お前は普段は三振ばかりかもしれないが、時々逆転満塁ホームランを打てるようなヤツだと思ってるんだ。ヘンテコリンだが、何かやる時は他のヤツ以上の仕事をするとオレは思っている。その逆転満塁ホームランを打てる日を楽しみに、会社には残れ!」