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遺族年金の申請、手続き1回で終わることは稀 社労士の手を借りるメリットは大きい

遺族年金の制度は複雑で、申請手続きが1回で終わることは少ないという(イメージ)

遺族年金の制度は複雑で、申請手続きが1回で終わることは少ないという(イメージ)

 身内が亡くなった後の手続きは非常に煩雑。だからこそ、その手続きに専門家の手を借りることも多いだろう。たとえば、年金のプロである「社会保険労務士」がいる。

 社会保険労務士法人LMC社労士事務所代表の社会保険労務士・蒲島竜也氏は、「遺族が受け取れる年金は主に『未支給年金』と『遺族年金』の2種類」と説明する。

「年金は2か月分が偶数月の15日に“後払い”されるシステムなので、基本的に最後まで年金をもらい切って亡くなることはできません。受給者本人が他界した後でも、生計を一にしている家族は申請すれば未支給年金が受け取れます。

 もうひとつの遺族年金は国民年金・厚生年金の被保険者が亡くなった際に、配偶者や子などで条件を満たした遺族が受け取れる年金です。国民年金加入者は『遺族基礎年金』、厚生年金加入者なら『遺族厚生年金』となります。自分で申請もできますが、近年は弁護士が遺言書の執行人になったケースなどで、管轄外となる年金部分の手続きについて社労士が紹介を受けることが増えました」

 専門家の手を借りるメリットはどのようなところにあるのか。

「申請する人にどれだけ時間的余裕があるかの問題です。遺族年金の場合、年金事務所での手続きが1回で終わることはまずありません。未支給年金も含め、必要書類がひとつでも欠けると出直さないといけない。手間を省くうえで社労士が助けになるケースはあります」

 相続を巡る多数の手続きに年金関連が加わる負担は大きい。ベストファーム社会保険労務士法人の社会保険労務士・高坂明子氏もこう指摘する。

「ご高齢で配偶者を亡くしたケースでは、年金事務所に行くのが大変だとして相談を受けることがあります。私たちの事務所の場合、グループ内に司法書士、行政書士、税理士、社労士の各法人があり、様々なご相談に対応できるので、相続関連の手続きをまとめてご依頼いただくケースも多いですね。

 それ以外ですと、事情が込み入っているために“遺族年金を受け取れるのか”というところからの相談を受けることがあります。たとえば亡くなった方が事実婚、つまり法律上の婚姻をしていなかったという時に、内縁関係のパートナーが遺族年金を受給できるのかといった相談があります」

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