投資でお金を増やしたい!と考える人は少なくないだろうが、これから投資を始めようと考える人にとっては、不安なことも多いはず。投資初心者はどんな点に注意すればよいのだろうか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第1回は、投資をする理由と、そのメリット・デメリットについて。
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ここ最近、投資の必要性について、目にする機会が増えました。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2021年総世帯)」によると、株式を保有している人の割合は32.7%、投資信託を保有している人の割合は25.9%。ざっくり3割の人はなんらかの投資商品を保有しています。また今後、株や投資信託などのリスク商品を保有したい人の割合は、2019年19.8%、2020年34.9%と急増しており、おそらく今後も増加すると予想されます。
投資をする人が増えた4つの理由
そもそもなぜ投資をするのでしょうか? 投資はかならず利益が得られるわけではありません。逆にお金が減ってしまうリスクもあります。それでも年々投資をする人が増えている背景には、4つの理由が考えられます。
【1】公的年金が足りないかもしれない不安
少子高齢化で、年金を納付する人は減り、受給する人は増えます。将来自分が受け取る金額では、老後の生活が補えないのではないかという不安です。
【2】社会情勢の不安
新型コロナ感染や、ウクライナ紛争など、次々と予想外の出来事が起こりました。収入が不安定になり、自分の生活は自分で守るしかないと覚悟した人も多かったのではないでしょうか?
【3】インフレに対する不安
じわりじわりと上昇する物価に、生活が脅かされています。価値が下がっていく通貨から、価値が上がるものへ資産を移そうと考えるのは当然とも言えます。
【4】投資インフラの整備
ネットで簡単に証券口座が開設でき、少額からでも投資ができるようになりました。また、YouTubeなど、SNSを通じて気軽に投資情報が入ってくるのも、投資を身近に感じ、興味を持つきっかけとなっています。
これらの理由が、ピンとこない人は、無理に投資をする必要はありません。一方で、まさに当てはまると感じた人は、投資デビューを真剣に考えてみてはいかがでしょうか。