投資

投資のセオリー「初心者は少額から始めるべき」が破滅への道に通じるワケ

必要なお金には手をつけず、余剰資金を用意する

 佐藤氏は「300万円から500万円を用意して、最初は100万円前後の資金で始めるといい」とアドバイスするが、300万円から500万円と幅があるのはなぜか?

「それは、投資で一番大切なのは、投資を始めるタイミングだからです。初心者でも確実に利益をあげることのできるタイミングをじっくり待つ。先ほど説明したように少なくとも300万円はあったほうがいいが、投資タイミングは300万円の時にくるかもしれないし、500万円の時にくるかもしれないということです」

 ただし、すでに300万~500万円持っている人でも、「そのお金は、投資に回していいお金かどうか。損するかもしれない投資に投入していいお金なのか、十分考えてほしい」と話す。

「例えば60歳を超えている人で5000万円持っていたとしても、その資産は老後の生活のための大切なお金だったりしますよね。そういう人は、それらのすべてを投資のお金として考えるべきではありません。また、30代のご夫婦で、子どものための教育資金として積み立てているお金をすべて投資のリスクにさらしていいわけがありません。ですから、きちんと線引きして、『損するかもしれない投資に投入していいお金なのか』を十分に考えてもらいたいのです」

 少額から始めた場合は損失額も少額で済むが、100万円から始めると損失額も大きくなってしまうリスクがあることには注意してほしい。投資はあくまで自己責任である。少額だからといって安易に始めるのではなく、真剣に投資と向き合って始めるのがいいということだ。

【プロフィール】
佐藤治彦(さとう・はるひこ)/経済評論家、ジャーナリスト。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、短期の国連ボランティアや企業コンサルタント、放送作家を経て、テレビ、ラジオ、雑誌などで経済やマネーについての評論、コメンテーターなどを務めている。著書に『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』など多数。最新刊『素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書』が発売中。

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