教えるスキルをレベルアップして転身
人に教える技術はあっても、表情筋トレーニングの講師としてはゼロからのスタート。チラシを作り、月2~3回はレンタルスペースを借りて講座を開き続けたが、苦戦した。
「生徒さんは毎回1~2人、誰も来なくて中止になることもありました。交通費も含めると赤字でしたが、勉強代だと思って続けました」
そんな中、再び転機が訪れる。新型コロナウイルスの流行により、教えたい人と学びたい人をつなぐプラットフォーム「ストアカ」がオンライン講座を展開し始めたのだ。
ストアカで講座を開設するだけなら費用はかからない。講座を開催後、売り上げが確定した際に受講料から手数料がかかる仕組みだからだ。
ならばと、吉井さんは生徒が集まらなくてもお構いなしにどんどん講座を設定。そのかいもあってか、徐々に生徒数が増えていった。
「生徒さんから、“コンプレックスだった平べったい顔が立体的になった”“諦めていたたるみが引き締まった”などと喜ばれると、うれしくて……。私ももっと最新の情報を教えられるようにと、日々勉強を続けています」
主婦のスキルだった料理で講師となり、そこから表情筋トレーニングのインストラクターへ。吉井さんのケースは、主婦力や“好き”という気持ちを仕事にかえる“プチ起業”の一例といえる。
現在は、オンライン講座の開催数700回以上、受講生は累計830人を数えるほどの人気講師になった吉井さん。この仕事だけで月15万円ほどの収入があるという。これからも研鑽し、若々しく働き続けたいと語ってくれた。
【プロフィール】
吉井真実さん(52才)/30代で料理教室を始めるも、夫の転勤で休止。「ままだよしこメソッド株式会社認定コアフェイストレーニングシニアインストラクター」を取得し講師に。
取材・文/桜田容子
※女性セブン2022年7月7・14日号