投資情報会社・フィスコが6月27日~7月1日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。ドル円は20年超ぶりの高値水準に上昇後、やや失速したが、もう一段のドル安・円高は想定しにくい。また、日米金融政策の方向性の違いを背景にドル買い・円売りは継続し、ドル・円の下げ幅は限定的となりそうだ。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は6月22-23日の議会証言で、記録的な高水準のインフレを抑止する方針を強調。リセッション懸念は根強いものの、他の金融当局者もタカ派姿勢を強め7月の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け引き締め加速が予想される。
30日発表の米5月PCEコア価格指数の伸びは4月実績に近い水準が予想され、FRBによる金融引き締め策後押し、金利高・ドル高の要因となりやすい。市場参加者の多くはFRBは6月に続き7月も0.75ポイント幅の利上げを行うと想定しており、金利高・ドル高の地合いに変わりはないとみられる。
一方、日本銀行の黒田総裁は最近の急激な円安について、「経済への影響から望ましくない」と述べているが、日銀は現行の大規模な金融緩和策を維持する方針。日米金利差のさらなる拡大が予想されるため、米ドルを含めた主要通貨に対する円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。目先的にドル高・円安の進行は一服したことから、利益確定を狙ったドル売りが出やすい状況だが、インフレ関連指標を受けて米長期金利が反発した場合、直近高値の136円70銭台を目指す値動きが予想される。
【米・1-3月期国内総生産(GDP)確定値】(6月29日発表予定)
6月29日発表の米1-3月期GDP確定値は、前回とおおむね同水準となる見通しだが、上方修正された場合、リセッション懸念は和らぎ、小幅ながら金融正常化への期待感からドル売りは後退しよう。
【米・5月PCEコア価格指数】(6月30日発表予定)
6月30日発表の米5月PCEコア価格指数が4月実績(前年比+4.9%)を下回った場合、FRBの金融引き締め加速の方針を弱める可能性があり、金利安・ドル安の要因になりやすい。