対象品は5月末時点の販売価格から平均5~10%安くなった。消費者にとっては嬉しい「逆張り」である。
このように創意工夫を施して、値上げラッシュに抗う地方企業たちだが、その背後には冷静な経営戦略も見え隠れするという。『経済界』編集局長の関慎夫氏が語る。
「各社とも今の状況において『値上げをしない』と表明することで、より消費者の支持を集めるべきと経営的に判断した面があるのでしょう。特に地方企業にとって地元での求心力を高めることは何よりも重要です。今は値上げするより耐える判断をした企業は、『将来への投資をした』とも言えるかもしれません」
価格維持が企業にとって吉と出るか凶と出るかは分からない。しかし、こうした企業が国民の救いになっていることは間違いない。
※週刊ポスト2022年7月8・15日号