住まい・不動産

一人暮らしは家賃と立地を最優先 10平米前後「狭いワンルーム」の住み心地

狭い部屋が苦にならない若い世代も増えている?(イメージ)

狭い部屋が苦にならない若い世代も増えている?(イメージ)

 部屋選びの決め手はそれぞれだが、一人暮らしの若い世代にとって重視するポイントはどこにあるのだろうか。6月2日に発表された『SUUMO』(リクルート)による「20代社会人シングル男女の一人暮らしデータ2021」(関東地方1都6県の一人暮らしをしている20代独身男女206名対象)によると、家を探す時に重視する項目では、8割以上が「家賃」(80.6%)と回答。次いで「通勤・通学時間」(60.2%)、「最寄り駅からの徒歩分数」(50.5%)。一方で優先度が低かったのは「部屋の広さ」(28.5%)、「防音性」(18.4%)などだった。

 職場・学校へのアクセスや駅チカかどうかは欠かせない条件だろうが、家賃との兼ね合いを考えると、部屋の広さは“後回し”。ちなみに同データによれば、一人暮らしの若い世代がもっとも多く住んでいる部屋の広さは「18平米以下」。現実には、10平米前後の「狭いワンルーム」に住む人もいる。そんな物件の住み心地はいかなるものなのか、居住経験がある人たちに聞いた。

テレビ、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなしの生活

 IT企業に勤務する20代男性・Aさんは、職場まで歩いていける、11平米ほどの家賃5万円のワンルームに住んでいる。今の物件に引っ越した理由は、職場まで1時間かかっていた通勤時間の短縮のためだ。

「通勤時間が大幅に短縮されたのは想像以上に大きなメリットで、仕事のパフォーマンスも上がりました。仕事終わりに、終電を気にせずお酒を飲めるのも最高。もちろんお金を出せばもう少し広い物件に住めるのでしょうが、1日の大半の時間、会社にいるからそこまで必要ないと思いました。住居にお金をかけるよりも、都会でよく働きよく遊ぶ経験がしたいなと。その点、今の物件なら徒歩圏内で繁華街や話題の店もあり、気軽に行けるので、満足しています。」

 そんなAさんの住居には、テレビや洗濯機、電子レンジといった家電がない。あるのは小さな冷蔵庫だけだ。不便に感じないのだろうか。

「別に持たないことにこだわっているわけではないんですけど、結果的にそうなってしまったという感じです。食事は買ってくるか外食。自炊するほうが時間も手間もかかるし、結局食材も無駄にする。惣菜を買ってきてバランスよく楽しい食事を味わっています。洗濯物はまとめてコインランドリー。テレビは見ないのでそもそも不要。極端な話、設備面はホテルと同じ程度でいいんです。家賃を抑えた分、“外”にお金をかけているともいえます」(Aさん)

 もちろん、部屋が狭ければデメリットもあるが、Aさんはポジティブに捉えている。

「狭い分、何かものを買うとすぐに部屋いっぱいになってしまうのですが、逆に常に整理整頓しようという意識も出てきますね。簡単に部屋中に手が届くので、掃除するのも全く億劫ではありません。強いて言うなら、食事メニューによっては、においがこもりやすいのがネックかな」(Aさん)

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