7月25~26日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、アメリカの政策金利の引き上げが見込まれているが、はたして今後、アメリカの金融引き締めはどう進んでいくのだろうか。FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんがアメリカの利上げ見通しについて分析する。
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今月は7月13日に発表される6月の米CPI(消費者物価指数)に注目が集まっています。この結果如何で、7月25~26日のFOMCで発表される利上げ幅に影響を与えるかもしれません。
マーケットのコンセンサスでは7月のFOMCで0.5%か0.75%の利上げが織り込まれていますが、6月の米CPIが大幅に上昇するならば、1.00%の利上げも有り得るのではないかと見ています。少なくとも米CPIが上昇すれば、0.75%の利上げは確実で、数値次第で9月以降の利上げ幅にも影響を与えると見ています。そうなれば米国の金利上昇が加速し、再びドル高の地合いが進むのではないでしょうか。
今の為替相場は欧州通貨が弱い状況で、「ドル一強体制」とも言えることから、米CPIの動向には大きな関心が寄せられています。
6月に発表された5月の米CPIは8.6%でした。7月13日に発表される結果が8%程度まで低下すればインフレ鈍化の傾向を示し、一方で9%程度まで上昇することになれば、FOMC参加者の政策金利誘導目標も上方シフトする可能性があります。
急ピッチで金融引き締めを進めるアメリカですが、失業率は低水準で推移しており、実体経済は強い状況にあります。そのため、政策金利の引き上げが進んでも、まだ耐え切れると判断されているのでしょう。利上げペースの加速は十分考えられることです。
とはいえ、目先のドル円見通しは、短期的に1ドル=140円へ向かうとは思わず、かといって円高になるとも考えにくいため、当面は方向感なく推移すると思います。
今の為替相場は、過去10年の中でも値動きの変動幅が大きく、トレードがとてもしやすい状況です。例年よりFXの収益チャンスは増しているでしょう。ただし、レバレッジを大きくかけてトレードするなど、無茶な取引をすれば、すぐに資金を失います。FXではリスク管理を徹底して、淡々とトレードを行うことが大切です。
株式市場も夏枯れ相場に入るので、ドル円をトレードする際、無理してエントリーするよりは、下落したところをしっかりと待ち、テクニカル指標にサインの出たタイミングでゆっくりエントリーする、というスタイルでよいのではないでしょうか。アメリカの利上げ状況によっては、今年後半の上昇を狙いに行く、などの戦略も検討できるでしょう。焦ってトレードするようでは負ける確率も上がります。こうしたときはどこでどんなサインが出るのか、あらためてテクニカル分析の勉強をするのもいいでしょう。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)