飲食店勤務のBさん(30代男性)も、Aさんと同じくAKB48のファンで、『CRぱちんこAKB48』でパチンコデビューを果たした。
「そのパチンコ内で毎週新曲が解禁されるということだったので、導入されてから最初の2週間くらいは新曲のために、パチンコを打っていました。でも、いまいちパチンコの楽しみがわからないまま。1日1万円とか負けると“このお金でライブや握手会に行けたのに……”と思ってしまい、なんだか無意味だなあと感じて、すぐにやめてしまいました。結局全部の新曲をパチンコ機で聞くことはありませんでしたね」
一方、パチンコ・パチスロをきっかけに、タイアップしたコンテンツにハマっていくユーザーも少なくない。デザイン会社勤務のCさん(30代女性)は、『新世紀エヴァンゲリオン』のタイアップ機をきっかけにパチンコを打つようになり、そこから様々なアニメを見るようになったという。
「元々エヴァはアニメを見ていて、なんとなくパチンコを始めたんですよ。そこから、いろんなアニメのパチンコやパチスロを打つようになり、今度はそのアニメにハマっていくようになったんです。最近のパチンコやパチスロでは、アニメの名シーンがなんかが出てきて、そうなるとストーリーも気になってくるんですよね。『コードギアス』シリーズとか『エウレカセブン』シリーズは完全にパチンコ・パチスロきっかけでハマりました。あとは『マクロス』シリーズなんかも、パチンコから入って、旧作を見返すようになりました」
コンテンツに人気があっても支持されるとは限らない
パチンコ・パチスロのタイアップ機がパチンコ・パチスロユーザーから支持されるかどうかは、必ずしもそのコンテンツの人気に左右されるわけではないという。
「パチンコ・パチスロユーザーにとって重要なのは、コンテンツが有名かどうか、人気かどうかということではなく、その機種を打っていて楽しいかどうか、あるいは勝てそうかどうかということ。いくら人気のあるコンテンツのタイアップ機といっても、映像での演出が単調だったり、スペックが辛すぎて全く勝てる気がしないものだったりすると、多くのユーザーが敬遠してしまいますし、新規のファンの獲得も難しい。
逆に言えば、演出が面白くて、打ちやすいスペックだと、ユーザーからの支持を得て、コンテンツ自体の人気も高まる。タイアップはパチンコ機、パチスロ機を売るための手段でもありますが、同時にコンテンツ自体の宣伝にもなるということです」(藤井氏)
いくらBOOWYが伝説的ロックバンドだといっても、そのパチスロ機が支持されるかどうかは別の話。はたして『パチスロBOOWY』は、パチスロファンを楽しませることができるか、そしてBOOWYファンをホールに呼び寄せることができるか。