出会い目的?「ちょっと抜け出して飲みに行こう」
人材紹介会社に勤務する20代女性・Bさんは、副業に興味を持っていたことから、異業種交流会に参加すれば、何か仕事をつかむきっかけになると思っていたが、期待を裏切られる結果になったという。
「いろいろな人がいましたが、私が副業に興味があると言ったら、『YouTube立ち上げやPVを増やす支援をやっている』という人が食いついてきました。YouTubeでバズるにはノウハウを知ることが不可欠とのこと。YouTubeで副業収入を得られたらいいな、と思っていたので、その人の話を聞いていると、副業から始めてYouTubeで成功したという人の主催パーティーに誘われました。でも結局、成功話だけ聞いていても私が成功するわけではない。謎の疲労感に襲われたあと、地道に自分ができることを頑張ろうと思いました」(Bさん)
異業種交流会という名目を盾に、恋愛関係での出会いを求めている人もいたという。
「明らかに出会い目的で来ている人もいましたね。『ちょっと抜け出して飲みに行こう』『この近くに行きつけのバーがあるから、そこで仕事の話をしない?』みたいな感じです。私が参加した会の参加者は、ほとんど男性だったので、きっとナンパ目的の人も混じっているのでしょう。参加したい女性は気をつけた方がいいと思います」(Bさん)
結局、自分の会社の居心地の良さを再認識
メーカーに勤務する20代男性・Cさんは、家と会社の往復ばかりの生活だったため、社外にも人間関係を構築したいと思っていた。そうした時に、取引先の担当者にすすめられ、異業種交流会に参加したことがあるが、その場の雰囲気に圧倒されてしまったという。
「交流するために行っているんだから当たり前なんですが、みんな『人脈』を作るためにギラギラしていて……。僕のような“陰キャ”がいてはいけない場所だと思いました。話しかけてくれる人はいても、名前と仕事といった自己紹介が終われば話が続かない。かといって、自分から話しかけるのは勇気がいるし、それまで何も繋がりがない人と仲良くなるのは、本当に難しいと痛感しました。
結局、名刺交換もあまりできずに終わりましたし、名刺を交換した人も、それっきりで今や顔さえ思い出せない。この一件から、似た価値観を持った社内の人たちとのコミュニケーションの心地良さを再認識できましたし、まずはそこを大切にしようと思いました。会社って大事ですね……」(Cさん)
せっかく異業種交流会に参加したものの、あまり得られるものがなかったという人は、意外と少なくないのかもしれない。