投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月11日~7月15日の動きを振り返りつつ、7月19日~7月22日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は週間で271.28円高(+1.02%)と続伸。13週移動平均線を僅かに上回った一方、75日線、26週線は依然下回ったままで終えた。
週初11日の日経平均は295.11円高。参議院選挙で自民党が圧勝したことや、米6月雇用統計で米国労働市場の堅調さを確認しつつも金利の上昇が限定的だったことが好感され、一時27000円を回復した。しかし、12日は475.64円安と大幅反落。新型コロナ感染拡大で中国の一部地域が再び都市封鎖入りし、世界経済の後退懸念が再燃したことで、アジア市況が大きく崩れたことが投資家心理を悪化させた。
週末にかけての3日間は上昇が続き、それぞれ150円前後の上昇となった。注目された米6月消費者物価指数(CPI)は予想を大幅に上回り、前年比で41年ぶりの高い伸びを記録。7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で1.00ptの利上げ観測も浮上し、警戒感が高まる中ではあったが、一方で、足元のコモディティ価格の下落などを背景に今回の発表分がピークとみる期待も強く、売り急ぐ動きには繋がらなかった。米6月生産者物価指数(PPI)も予想を大幅に上回ったが、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が市場の1.00ptの利上げ観測は時期尚早との見解を示したことで警戒感が後退し、週末も買いが優勢となった。
今週の東京株式市場は一進一退か。国内は月曜が祝日で立会いは4日となる。翌週に控えるFOMCや徐々に本格化し始める日米主要企業の決算発表を控え、動きづらい展開が想定される。どちらかに触れても一方向に傾くことはなく、レンジ推移が意識されやすいだろう。
先週発表された米6月CPIとPPIはともに予想を大幅に上回り、インフレ懸念を助長するような結果となった。一方で、世界のコンテナ運賃やエネルギー・食料品の価格が下落傾向にあることから、今回の6月分がピークだとする期待も強い。こうした中、今月26~27日に開催されるFOMCでは、0.75ptの利上げが有力とされる一方、1.00ptの利上げへの思惑もくすぶっている。結局、実際に蓋を開けてみない限り、今後の利上げペースも含めて不透明感が晴れることはなく、月末までは様子見ムードが広がりやすいだろう。
また、日米で徐々に4-6月期の企業決算が発表される。内容を見極めたいとの思惑も、株価の一方的な動きを生み出しにくくすると考えられ、マクロ要因によるボラティリティー(変動率)はいったん縮小する可能性があろう。