医療費の負担額を減らせる公的制度は数多く存在している。代表的なものが高額療養費制度だ。年齢や所得によって1か月の医療費の自己負担額に上限が定められ、それを超えた分は健康保険から払い戻される。70歳未満で住民税非課税者なら、世帯合算で月3万5400円が上限となる。
それ以外にも、利用できる制度は多い。65歳以上で、病気や怪我で入院療養をした人の場合、入院時生活療養費の給付を受けられる。
たとえば、住民税非課税世帯では、1食分の食費が210円、1日分の居住費が370円を超過した分が給付される。課税世帯の場合は、食費460円、居住費370円が上限額となる。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が語る。
「各自治体の保険年金課などに申請して『国民健康保険限度額適用・標準負担額減額認定証』の交付を受け、医療機関の窓口で提示すれば、即適用となります。医療機関への支払いから2年以内であれば遡って請求できるので、対象者は自治体の窓口に問い合わせてみてください」
自営業者などで、「職場での健康診断がないので、人間ドックを受けたい」という人に助成金を出している自治体もある。
たとえば、東京都府中市には、人間ドック受診費用助成がある。20歳以上の府中市民で、全額自己負担で人間ドックを受けた場合、受診料の2分の1(上限額1万円)を助成する。
申請は年度内に1回、申請書や検査結果表などを市保健センターの窓口に提出する。今年4月からは、申請書などへの押印が廃止となり、簡略化が進められている。既に受診した人も年度内に手続きを済ませればよい。
同じような人間ドック受診費の助成は多くの自治体が実施しているので、居住している自治体で確認するのが重要だ。