区分マンション投資で大切なこと
──具体的にはどのような戦略をとったのですか?
倉津:区分マンション(マンション1室)を購入していきました。これは、これから不動産投資を始めようと考えている人にも適している方法です。僕が区分マンションに注目したのは、投資資金が少なく済むうえに、空室リスクが少なく、資産としての流動性が高いからです。価格が高くて部屋数が多い一棟物件に比べて、少ない資金から始めることができて、損失リスクも比較的抑えられます。
さらに区分マンション投資を選ぶうえで、「基本の3条件」を守ると失敗のリスクを減らすことができると考えています。それは「東京都内の1R・1K物件」で価格は「2000万円前後」、そして「中古」の3つです。
東京都内の1R・1K物件は依然として需要過多であり、物件が空室になるリスクは低いと考えます(もちろんある程度は場所を選ぶ必要はあります)。また、2000万円前後の価格だと全額分のローンが出やすいため、諸費用分の自己資金があれば始められます。また「中古」だと立地や間取り、設備などが同じ程度の物件が30~40%安く買える印象です。同じ1Kでも新築など物件価格が3000万円や4000万円になってくると収支バランスが悪くなり、利益を出すのに時間がかかってしまいます。
──物件を探すにはどのような大事なポイントがありますか?
倉津:不動産投資に欠かせないのは「人探し」です。これに尽きるところもあります。不動産投資を始めた当初、私が話していた不動産業者から勧められる物件はどれも「毎月1万円程度の手出し(赤字)」が発生するものでした。そこで、良い物件を紹介してくれる不動産業者を探そうと思って不動産投資の成功している人に紹介してもらうことを思いつきました。そこで見つかったのが配置された護衛艦の艦長でした。彼に紹介してもらった不動産業者さんでは、先ほどの3条件を満たし、手残りもある物件を一回で紹介してもらうことができました。その場で契約し、不動産投資において大事な最初の物件で成功をつかむことができました。探し始めてから1か月だったので、早いほうかもしれません。
──30歳で自衛官を退職しています。やめることになったきっかけは?
不動産投資などと合わせた年収が1000万円を超えてから、自衛隊に縛られる必要がないなと思うようになりました。28歳でマンションの一棟買いを達成し、その一棟の収入だけでも800万円を超えています。そのころには副業という規模を超えているので家族を代表にした法人を設立しています。投資信託や米国株に投資するなど、不動産だけに縛られない多角的な収入も増えてきました。不動産を含めた総資産も4億円を超えていました。
自衛官での最後の仕事は防衛大学校の指導教官だったのですが、学生に向けて資産形成の話をしたら意外なことにとても反応がよかったんです。それで休日にお金のことについての勉強会を開催していて、「教えるのが向いているのかも」と思って、資産形成アドバイザーとしての仕事を選ぶことにしました。