投資情報会社・フィスコが7月25日~7月29日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米連邦公開市場委員会(FOMC)の引き締めはすでに織り込まれ、政策決定後はドル買い材料出尽くしでドル売りがやや強まる可能性がある。ただ、米国経済のリセッション懸念が後退すれば、ドルは買い戻される可能性がある。今月発表された米消費者物価指数(CPI)でインフレ加速が示されたが、ウォラーFRB理事が支持を表明した0.75ポイント幅の追加利上げの可能性が高まっている。ただ、次回9月の引き締めも注目され、FOMC声明でインフレ加速の可能性について否定的な見解が表明された場合、金利安・ドル安の支援要因となろう。
今週発表される経済指標では、28日発表予定の米4-6月期国内総生産(GDP)速報値が有力な手掛かり材料となりそうだ。前期比年率+0.5%と、前回から改善が予想されている。1-3月期は同-1.6%だったが、2期連続マイナスを回避できればリセッション懸念のドル売りは後退しそうだ。日本銀行は金融政策決定会合で現行の大規模金融緩和策を維持することを決定した。日本と米国の金融政策における方向性の違いからドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低い。短期的には138円を挟んだ水準で推移し、下げ渋る状態が続くとみられる。
【FOMC】(26-27日開催予定)
米連邦準備制度理事会(FRB)は26-27日開催のFOMCで0.75ポイントの追加利上げが見込まれ、金利高を手がかりにドル買いが進む見通し。市場の織り込みは進み、想定通りならドル買いは小幅にとどまる。
【米・4-6月期GDP速報値】(28日発表予定)
28日発表の米4-6月期GDP速報値は前期比年率+0.5%と、1-3月期の-1.6%から改善が予想される。ただ、市場予想を下回った場合、スタグフレーションへの懸念が強まり、ドル売り材料となる。