アテネオリンピックのマラソン金メダリスト・野口みずきさんは、かつて『休養学基礎』の取材で次のように話していた。
たとえば合宿所生活では、「バスルームに好みの洗面具を並べ、スピーカーを持ち込んで好きな音楽を楽しめるよう部屋の環境を作り替えた」「時間を見つけて小旅行や買い物に出かけたり、絵を描いたりして気分をリセットした」など、ただ体を休ませるだけではなく、「攻めの休養」を取り入れたというのだ。
「オリンピック選手レベルになると、体力はほぼ横並び。そうなると、メダルが獲得できるかどうかの分かれ目は、試合前日によく休めた、疲れていないなど、コンディションの部分で決まります」
休養+心身の活力を高める“攻めの休養”が、疲労回復のカギとなるのだ。
【プロフィール】
片野秀樹さん/日本リカバリー協会代表理事、理化学研究所客員研究員。「攻めの休養」の重要性について啓発・教育活動を実践。編著に『休養学基礎 疲労を防ぐ!健康指導に活かす』(メディカ出版)がある。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年8月11日号