デリバリーでのタイムロスが少ない
店舗数が多いという点では、デリバリーにおいても大きなメリットがある。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏は言う。
「そもそもマクドナルドはデリバリーの注文が多い。特に都内では、店舗の周辺にデリバリーの配達員が休憩がてら待機している光景もよく見かけます。その結果、注文が入ってから商品を作って配達するまでのタイムロスが減り、商品が届くまでの時間短縮につながる。地域によってメリットの大きさに違いはありますが、都心に住んでいる人や都心で働いている人にとっては、マクドナルドのデリバリーの使い勝手がいいのは間違いないでしょう。私自身もコロナ禍での自粛期間で、マクドナルドのデリバリーを利用する機会が増え、それ以降も頻繁に利用するようになりました」
マクドナルドでは定番商品だけでなく、定期的に期間限定商品も発売される。それもまた、愛好家たちを喜ばせている。都内に住む自営業の岡村さん(30代男性)は、新商品の登場が楽しみだという。
「ここ数年のマクドナルドの期間限定商品や新商品は、本当にクオリティーが高いんです。すでに定番商品になっている『サムライマック』シリーズはどれもおいしいし、『マックフルーリー』や『マックフィズ』の限定フレーバーは必ずチェックしに行きます。値段も安いので、気軽に試せるというのはいいですよね」
マクドナルドに“居心地の良さ”を感じている愛好家も少なくないようだ。都内の企業に勤務する山崎さん(20代女性)は、友人や同僚とマクドナルドに行く機会が多い。
「あくまで私がよく行くマクドナルドの話ですが、適度に騒がしくて、こちらもおしゃべりしやすいんです。地方だとまた事情は違うと思いますが、都心にあるスタバとか、コメダ珈琲とかだと、値段もそれなりにするし、意外に混んでる。グループでただお茶をしに行くという雰囲気ではない。でも、マックなら安いし、ソファ席なら割と座席もゆったりしているし、電源もあってスマホの充電もできる。マックは気兼ねなく、リラックスして過ごせるのがいちばんの魅力ですね」
必ずしも高級路線ではないものの、だからこそ多くの人に愛されているマクドナルド。値上げが続く一方で賃金が上がらない現在の日本においては、さらに王者の存在感が増していくかもしれない。