イタリアンから化学へ
ほかに女性社長が活躍する企業としては双子の起業家・中島瑞木、杏奈姉妹率いるcoly、ペット損害保険のアイペットホールディングスなどが挙げられた。
これらは今後、さらに大化けが期待される区分である東証の「グロース市場」に上場しているが、より成熟した企業が名を連ねるスタンダード・プライム市場にも注目の女性経営者が率いる企業は少なくない。
「プライム市場に上場している創業100年を超える化合物大手のステラケミファは2015年に代替わりして社長が女性に。創業家出身の橋本亜希社長がイタリア料理のシェフとしてレストランを経営していた異色の社長ということで注目しています」(馬渕氏)
ほかにお世話人形「ぽぽちゃん」で知られるピープル、化粧品ボトルを製造する竹本容器など女性経営者の視点が活きる企業も独自性と将来性が評価された。
また「経営者が女性でなくとも社内の重要ポストに女性を登用していたり、IPO(新規上場)を経験した女性役員がいる企業にも目を向けるべき」(馬渕氏)だという。
その点では「若い女性役員がいて社員にも女性が多い」(後藤氏)という近所に住む人同士のコミュニティ掲示板を運営するジモティーや、2社でIPOを経験した女性役員がいるサイバーセキュリティ企業のGRCSなどがリストアップされた。
多様性が求められるようになった今、より一層、女性活躍企業に世界中の投資家から熱い視線が注がれるだろう。
※週刊ポスト2022年8月19・26日号