都会を脱出して自然豊かな地方に移住する人や、週末を田舎で過ごす二拠点生活を始める人が増えている。リモートワークが当たり前になるなどライフスタイルが変化したいま、“自分の生き方に合う場所で暮らす”という選択肢もありかもしれない。それは芸能界でも同様だ。
静岡県浜松市でのひとり暮らしを満喫している女優・熊谷真実(62才)が、東京を離れたのは、新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけだった。
「昔から、自然豊かなところで暮らしたいという地方願望が強かったんです。父が福岡県添田町の出身で、夏休みになると姉妹で父の実家に預けられていたんですが、幼い頃のその楽しい経験がずっと記憶に残っていて、田舎暮らしに憧れていたんです。でも、仕事の関係で東京を離れるわけにもいかなくて……」(熊谷・以下同)
田舎暮らしを諦めきれなかった彼女は、40代になってからもロケで地方に行くたびに、その地の物件情報を調べてはセカンドハウス探しをしていたという。
「長野県の軽井沢や諏訪地方、埼玉県の寄居や秩父、群馬のあたりも候補と考えましたが、自分の中で“ここ!”というところがなかったんです」
その後、53才で書道家の中澤希水さん(44才)と結婚し、コロナをきっかけに2020年8月半ばに浜松に移住。その日は、浜松では日本観測史上最高気温に並ぶ41.1℃を記録した。それまでは、埼玉県の熊谷市が単独1位だったため、「熊谷(真実)が浜松に来たら、気温まで(埼玉県)熊谷に並んだ」と、笑い話になったという。
「もともと浜松は、私にとっては小都会のイメージでした。自分が好きな思い描いていた自然豊かな田舎暮らしとは程遠い感じでしたが、引っ越してみたら車で30分以内のところに海も山も湖もある。本当に自然が豊かだということに気がついたんです」
浜松で暮らし始めると、テレビのバラエティー番組での印象そのままに、誰にでも積極的に話しかける明るい性格が幸いし、友達の輪が次々と広がり、それとともに、ますます暮らしやすくなったという。
だが、2021年3月に離婚。浜松のよさを実感していた彼女は、ひとりになっても東京に戻ろうとは、一度も思わなかったという。
「浜松は、日本の日照時間ランキングで1位になったこともある土地柄がそうさせるのか、みなさん本当に明るくて。特に女性が(笑い)。浜松の友人は面倒見がよくて明るいんです。仕事で東京に行くときに送り迎えをかって出てくれたり、大家さんが自宅で採れた果物を玄関に置いてくれたり。そういえば住む家もすぐに見つかりましたし、それも含めて、『私は浜松に呼ばれてるな』と、思いました(笑い)」