浜松の新鮮な野菜、作家のハンドメイド雑貨が並ぶ道の駅「るぴなすの畑」で野菜を摘み取り（写真はインスタグラム「mami_kumagai310」より）
もう1つ、彼女がハマっているのが農業だ。
「コロナの自粛期間中にいろいろ考えました。大袈裟ですけど、食糧難になったときにスーパーマーケットでしか物を買えないと思うと、ちょっと不安になったんです。それで、“だったら自分で作ろう”“畑や農業をやっている人と友達になって余ったものをお裾分けしてもらおう”“そういう場所に移り住まなきゃ”と思って……」
SNSを通じて自然農法の『奇跡のリンゴ』の木村秋則さんの一番弟子である佐伯康人さんと知り合い、仲間と一緒に共同の畑で、無農薬や無肥料、無除草剤による自然栽培というやり方で農業を行っている。
「ベジタリアンだったこともあるほど野菜が好きで、食のことを真剣に勉強していた時期もあったのですが、いまは周りの仲間に助けてもらいながら、農業をして、梅干しを漬け、みそも手造りしています。それにもう1つ、浜松は音楽の街ではあるものの劇場はほとんどなくて、演劇を見る機会が少ないんです。いつか、浜松で公演ができたらいいですね」
新たな夢がかなう日も、そう遠くはないかもしれない。
【プロフィール】
熊谷真実／女優。1960年、東京都生まれ。1979年に連続テレビ小説『マー姉ちゃん』（NHK）で主役を務め、注目を集める。以来、映画、舞台、ドラマなど幅広く活躍。こまつ座の舞台『頭痛肩こり樋口一葉』（8月5～28日・紀伊国屋サザンシアター）に出演予定。
取材・文／山下和恵
※女性セブン2022年8月18・25日号
