まずは相続の大まかな流れを理解しよう。
「相続の手続きは実はとてもシンプルで、『3つのステップ』だけで完了します。まずは『相続財産の棚卸し』を行ない、その次に『相続人を確認』。最後に『遺産の分け方を決める』という手順です。仮に相続税が発生するなら、被相続人(親)の死後10か月以内に書類をまとめて税務署に申告する必要があります」(柘植氏)
預貯金や不動産、株といった相続財産の総額を出し、相続する人を確定したうえで、遺言書などでそれぞれ、何を誰にどんな割合で残すのかを決める。一連の手続きは、生前にある程度済ませるのがよい。
「事前に家族間でこれらが決められていれば、以降の手続きはスムーズに進みます。しかし、被相続人の死後、財産の分け方について話し合いが済んでいなかったり、遺言書がなかったりすると、そこから相続人全員で遺産分割協議を始めて合意に至る必要が生じます」(柘植氏)
相続税が発生する場合、10か月以内に申告手続きをしないと、「無申告加算税」や「延滞税」を取られてしまう。だからこそ、早めに動くことが重要だ。それにより、対応の選択肢も広がる。
※週刊ポスト2022年8月19・26日号