20位の鹿島建設・鹿島昭一元社長(故人)の12歳年下の妻、公子氏(年齢不明、同255億円)は、輸入自動車販売ヤナセの元社長・梁瀬次郎氏の次女。戦後は娘婿に会社を継がせてきた鹿島家にあって、昭一氏は72年ぶりに創業家の血筋を引く社長だった。そんな昭一氏との結婚に際しては、鹿島家の家族内にできた「結婚委員会」の選考を経なければならなかったと伝わる。
「公子さんと鹿島家の出会いは、昭一氏の上の三姉妹と中華料理を習った学校が一緒で、鹿島家が広大な土地を持っていた軽井沢でも家族間の交流があったことがきっかけだったようです。日本では名門企業の創業一族同士の婚姻関係によるビジネス・メリットが大きい。ヤナセとしても、中曽根康弘元総理をはじめ政財界に広い人脈を持つ鹿島一族と接点を持つことは、意義が大きかったはずです」(経済ジャーナリスト・福田俊之氏)
公子氏は現在、学術研究に関する助成援助を行なう鹿島学術振興財団の理事長を務めている。
(後編に続く)
※週刊ポスト2022年8月19・26日号