今年6月に年初来安値をつけるまで下落していた米国株の代表的指数NASDAQは、7月には12.35%上昇した。はたして米国株は底打ちして上昇トレンドに転換したのか、あるいはまだ下落トレンドの渦中にあるのか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんが考察する。
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アメリカの代表的な株価指数NASDAQが堅調に推移しています。7月は月間で12.35%上昇し、他の指数と比較しても上昇率が目立っています。2021年11月から下落が続いていたNASDAQは、すでに下落トレンドから転換して上昇トレンドが始まっているのでしょうか? 年初来安値や上昇率が大きかった日の変動要因から、今後の動きについて探ってみましょう。
まず、NASDAQが年初来安値をつけたのは今年6月16日です。前日にはFOMC(連邦公開市場委員会)を終え、“通常の3倍”にあたる0.75%の大幅利上げが決定された直後の安値でした。
また、FOMCの直前に開催されたECB(欧州中央銀行)理事会で次回会合時の利上げ見通しを発表。くわえて、日本と同じマイナス金利政策を行っていたスイス中銀も利上げに動いたこともネガティブなサプライズとなり、金融引き締めによる景気後退を警戒した世界同時株売りが発生。一時株式市場はパニック状態に陥りました。
この時、市場ではさらなる悲観論が飛び交い、「次回7月のFOMCでは1%の利上げもあり得るのではないか?」との声も多数聞かれました。
ただし、この日を境に株式市場では安値を更新せずに切り上げる動きが続いています。すでにNASDAQは底打ちをし、上昇トレンドに入った可能性はあるのでしょうか? ここからは、6月の安値後に上昇率が大きかった日(前日比3%以上)の3日の変動要因を確認していきます。