計画の立て方と実行するための工夫
自分のペースで勉強できる宅浪だが、裏を返せば、全てを自分で管理しなければならないということでもある。高い自己管理能力が求められる宅浪を、Hさんはいかにして成功させたのだろうか。
「宅浪時代、最も重視していたのは、“計画”です。まず月単位でやるべきことを書き出し、それを週ごとに分ける。そしてそれを1日単位で落とし込み、そのノルマを達成することを目標にやっていました」
しかし、全て計画通りに実行していくことは、そう簡単なものではない。自分で決めたノルマを達成するために、Hさんは次のような工夫をしていたという。
「いろんな教科をバランスよく勉強することで、飽きないように工夫していました。また、その日のノルマを達成できなくても自分を追い詰めることはせず、1週間以内にできなかったところを補い、うまく調整するように心がけました」
生活リズムと息抜きについてはどうだったのか。
「勉強しかやることがないと息苦しくなってしまうと考えて、バイトをすることにしたんです。あえて朝6時からの早朝シフトに入ることで、朝型の生活リズムを作りました。また、勉強に疲れたらYouTubeをみたり、夜は家族と一緒にテレビをみたりしていました。追い込みすぎる生活をするよりも、メリハリをつけたことで、より勉強に集中できたような気はします」
受験の天王山と呼ばれる夏、浪人生は、中弛みしがちな時期でもある。予備校生なら夏期講習などがあるが、Hさんは夏をどのように乗り切ったのか。
「夏の時期は、まず勉強量をしっかり確保することを意識して、最低でも1日10時間は勉強すると決めていました。朝の6時から9時はコンビニでバイト。10時から図書館が開くので、それまで少し時間を潰してから、エアコンの効いた涼しい図書館の自習室で勉強していました」