中古車買取専門店は大幅な上方修正
前述したように、リユース市場の規模は、2020年の2.4兆円に対して2030年には3.5兆円まで拡大する見込みとなっていますが、こちらは2021年のデータですので、現在はそこに「インフレ」や「円安」の要因が加わっています。拡大ペースがさらに加速しているのは間違いないでしょう。
それを裏付けるように、リユース関連企業の決算も好調が目立ちます。8月に発表された3つの関連企業の決算を確認してみます。
まずは、ゲーム、スマホ、衣料品の中古販売に転換したゲオホールディングス(2681)が8月10日に、2023年3月期の第1四半期の決算を発表しています。営業利益は前年同期比248%増で着地。通期予想に対する進捗率もすでに第1四半期で57.5%に達しています。営業利益率についても昨年度の2%に対して約5%と急激に上昇しており、この数字からも業績の改善度合いが確認できます。
続いて、中古車買取専門店「アップル」を運営するアップルインターナショナル(2788)が、2022年12月期の第2四半期決算を発表する直前、8月5日に業績の上方修正を発表しました。売上高は従来予想から約50%増、営業利益については従来予想から約5倍となる大幅な上方修正です。修正の理由としては、為替相場が急激に円安になったことにより海外中古車輸出事業が予想以上に好調に推移したことが挙げられています。円安は輸出をしている外需企業にとっては業績に好影響をもたらします。
最後に、マンガ専門古書販売の最大手のまんだらけ(2652)が8月10日に2022年9月期の第3四半期決算を発表しています。営業利益は前年同期比34.6%増に拡大し、すでに通期計画を超えてきています。また営業利益率についても改善傾向が見られ、業績の好調さをうかがい知ることができます。
リユース・買取再販市場では、ここで紹介した3社のみならず、好調な決算を発表した企業が目立ちます。市場好調の要因となる3つの要因も、当面は続いていくと予想されるため、今後も市場拡大が続いていくのではないでしょうか。
【プロフィール】
森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。