中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

地方移住して気づいた「学歴や職業にとらわれない人間関係」の素晴らしさ

 そういった理由からこれまで付き合ったことのない業種の人々と友人関係になるのですが、現在の友人はミカン農家、薬剤師、看護師、農協職員、飲食店経営者、大工、配管工などに従事する人々です。

 そして、東京時代は、仕事の話を互いにしてなんとなく「探り合う」といった雰囲気があったのですが、全員がそれぞれ別の仕事に従事しているため、ライバル関係になく、ただ単に楽しいこと、むかつくことについて語り合う関係が生まれたのです。

 私自身、元々「同業者のほうが友人関係になりやすい」と思っていたのですが、案外まったく業種が異なる人との方が仲良くできるのかもしれないな、と思うようになりました。決して同業者と付き合うことを否定しているわけではありませんが、異なる業種の人々と自然と付き合うようになると、「燃料費の高さがヤバい」やら「建築資材が高騰していてヤバイ」などといった、自分の仕事とはあまり関係のない話も聞けるようになり、新たな学びもあります。

 そういった意味では、49歳を手前にした自分が多業種の方々と付き合えるようになったのは実に僥倖だったのではないか、と思うわけです。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

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