社会やライフスタイルの変化によって夫の“家事参加”が促進されている時代だが、その一方で、家事を分担したいという気持ちはあっても、そもそもの家事スキルが低いため、何もできないという夫は少なくないようだ。家事ができない夫は、どうすれば家事ができるようになるのか。家事歴40年以上を誇る歌手でタレントの円広志(69才)は、インターネットを活用することをアドバイスする。
「病気がちの母を支えるために料理は小学生の頃からやっていたし、大学を卒業してすぐに奥さんと結婚して、25才で『夢想花』がヒットするまでは、掃除や洗濯、お弁当作りを担って働く奥さんを送り出す、いわば“ヒモ”。だから家事は同年代の男性に比べて一通りやってきた方ですが、やり方は全部インターネットを検索すれば詳しく書いてある。全国の男性には『いちいち奥さんに聞かず、ネットで調べて、コツコツやってみて』と伝えたい。
周囲の同年代の友人は、奥さんがすべての家事をやっている人が多いのですが、彼らはみんな、定年を迎えたら妻に捨てられるでしょうね。だって稼ぎがなくなった男は“生ゴミ”同然ですから(苦笑)」(円)
ある程度家事ができるようになってきたら分担して少しでも妻の負担を軽くしよう。ただしそのときはお互いの“流儀”に口を出してはいけない。
「うちは夫婦で家事を分担しているのですが、洗濯物のたたみ方ひとつとっても、互いに“流儀”がある。せっかくたたんだのに、たたみ直されたらけんかになるから、最近はお互いに家事をすみ分けている。例えばぼくは洗濯までして、奥さんがたたむ。ご飯はぼくが作って、奥さんが洗う。ぼくはできるだけ洗剤を使わずに洗いたい派だけど、奥さんは洗剤できれいに洗いたい。だから洗い物は任せています」(円)
加えて、忘れてはならないのはやってもらった後に、必ず感謝の気持ちを伝えること。円も「ありがとう」の一言さえあれば、いくらでも頑張れると首を縦にふる。
「男は単純だから『素敵』『ありがとう』『おいしい』と言われたらそれだけで疲れていても頑張れる。反対に、せっかく一生懸命にやったのにそれを認めてもらえないと空しい。
この前、朝ご飯におかゆを作って、トッピングに、ごま油で炒めたピリ辛のしらすや、そぼろ卵などを作ったんです。そしたら奥さんは、おかゆに全部のせて混ぜて食べちゃったんです。わざわざ別々に出してるのは、いろんな味を楽しんでほしいと思ったから。おいしく食べてほしいと料理して出したものを、無造作に食べられると悲しいもんですよ。テーブルをひっくり返さんばかりに怒ってしまってね。しまいには『どんな育ち方したんや!』とまで言うてしまった。
これはさすがにアウトだったと反省してます。だけどお互いやってもらったことを『当たり前』と思わず、感謝し合うことは大切だと感じます」(円)
人生100年時代。家事を分担して老後を夫婦円満で快適に過ごすために、いまからでも夫は準備しておこう。
※女性セブン2022年9月8日号