海外の要人約400人が列席した即位の礼の滞在関係費が50億円とすれば、単純計算で日本側は1人あたり約1250万円負担したことになる。
「皇居正殿で行なわれた即位の礼は出席者の人数も制限されたが、今回はそれ以上の賓客が参列するでしょう。もし日本側の負担が必要になる参列者が増えれば、滞在関係経費が即位の礼の2倍、100億円近くかかっても不思議ではない」(濱氏)
ほかに、吉田茂・元首相の際には記録映画を制作している。メディア文化評論家の碓井広義氏が語る。
「国葬の記録と生前の功績をまとめた二部制です。昨年の東京五輪の記録映画が約3.5億円程度の予算と言われており、もし制作すれば2億円程度はかかるのではないか」
吉田元首相の国葬では葬儀後に各国要人を集めたレセプションが行なわれており、今回も行なわれれば「億単位の費用となる可能性もある」(濱氏)。
ほかにも参列する国内の各首長の出張費(約1000万円)は税金負担となる。
そうした費用の累計は最低でも33億円超。仮に海外の賓客の滞在関係費が100億円近くに膨れあがった場合、総額130億円もの税金が使われる可能性も否定できない。
改めて費用負担について外務省にぶつけると、「海外からの参列者に対する渡航費及び滞在費の日本側による負担はない予定です。また、これら参列者に対するわが国内での接遇のあり方については、現在検討中です」(大臣官房報道課)
と負担を否定した。今後も注視することが必要だ。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2022年9月9日号