主原料の小豆は国内産で影響はなかったが、輸入物の砂糖、包装紙、配送コストなどが上がった。
「昨年6月に物価高を見込んで商品価格を5%値上げしたのですが、それでも追いつかなくなり、これ以上の値上げは難しかった。無理をすれば半年や1年くらいは続けられたと思いますが、手元の資金や不動産を減らしただけでしょう。材料費の高騰が経営を本格的に逼迫させる前に廃業を決めたということです。
会社がなくなると、SNSなどで『もう食べられないのか』と残念がるお客さんの声を目にすることが多く、それはありがたかったです。一部の従業員がうちの味を引き継いで『匠紀の国屋』をオープンさせたことも、父親ともども嬉しく思っています」(同前)
※週刊ポスト2022年9月9日号