物価高倒産が最も多い「運輸業」も深刻だ。事業再生コンサルタントの吉田猫次郎氏が語る。
「私が相談を受けた例ですが、ある運送業経営者は、ガソリン代の高騰、さらに車両の価格、修理代、タイヤなどの消耗品も上がっている、と。人件費も徐々に上がってきている。そういう状況にもかかわらず、下請けなので元受けに価格転嫁して請求できないといいます。真綿でジワジワ締め付けられるような苦しい経営状態がずっと続いて、自己破産まで思い詰めていました」
原価の上昇分を価格転嫁するしか生き残れないのに、それができないのだ。前出の佐古氏が語る。
「食品を運ぶ運輸業者などは、荷主企業も資材コスト等の上昇でより安い業者が求められるため、燃料費の上昇分を簡単に価格転嫁するのが難しい。『配送料を上げたい』と言うと、『じゃあ、他の会社で』となってしまう。『上からコストカットを求められたので、相見積もりを取られ、契約が取りにくい』という話も聞いています」
どの業種も厳しいなかで、そのしわ寄せが集まるのが運輸業だという。
※週刊ポスト2022年9月9日号