PS5が値上げすれば、転売コストが上昇することとなり、結果として転売を抑止できるのではないかとの見方もある。
「5500円の値上げだと、単純に転売価格にその分が乗るだけになるだろうと言われています。とにかくPS5の生産体制を整えることが先決です」(藤井氏)
“転売ヤー”からは買いたくないけど、多少値上げしてもいいから、とにかく買わせてくれという声もある。ゲームファンの男性(40代会社員)はこう話す。
「PS5の発売から、何度も予約抽選に応募しているんですが、いまだに買えない。かといって、転売ヤーに儲けさせるのは絶対に嫌。なので、ずっと抽選を受け続けている状態です。もし、手に入りやすくなるんだったら多少の値上げもアリだと思いますよ。もう2万円くらい値上げしてもらっても構わないので、普通に買わせてほしいです」
VRの入り口として期待されていた「Meta Quest 2」も値上げ
PSVR2の価格については、まったく明らかになっていない。ちなみに、2016年10月に発売された「PlayStation VR」(PSVR)の発売当初の価格は4万4980円。現在販売中の「PlayStation VR Special Offer」は2万7478円だ。
「PSVRの最初の価格はPS4よりも高かったことを考えると、PSVR2もPS5の同等かそれ以上の価格になる可能性もあるでしょう」(藤井氏・以下同)
VRデバイスということでは、Meta社の「Meta Quest 2」が今年の8月に値上げしている。128GBモデルが3万7180円から5万9400円に、256GBモデルが4万9120円から7万4400円となった。
「メタバースに注目が集まっている昨今、本体のみでVR体験を楽しめるMeta Quest 2はVRの入り口として重要なデバイスだったはずですが、ここまで高価になってしまうと、さすがに広く普及させるのは簡単ではないと思います。PS5の生産が需要に追いついていないことを考えると、PSVR2に関しても入手困難となるのは必至。VRデバイスが一般的な存在になるには、まだまだ時間がかかりそうです」
PSVRが発売された2016年は「VR元年」と呼ばれたが、そこから6年経った2022年の今もまだ、VRデバイスは広く普及したとは言い難い状況だ。果たして、本当にVRを誰もが手軽に楽しめる時代はくるのだろうか──。