昨年11月に発売されたソニーの家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(PS5)。12月時点で販売台数は全世界で450万台を突破し、3月末までに760万台以上の販売目標を掲げている。そんなPS5は発売当初から品切れが続出し、発売から約4か月が経っても争奪戦が続いている。最近になってようやく「在庫あり」の店舗の情報が出回るようになってきたが、入手できていないゲームファンからは、「疲れ」も見え始めている。
「『落選』という文言が入ったメールを見るのにはもう慣れましたよ。ソニーストア、ヤマダ、ノジマ、ジョーシン……。応募してもことごとくハズレています。30連敗くらいしていると思います。笑っちゃいますよね」
そう苦笑するのは、広告代理店で働く30代の男性会社員・Aさんだ。発売当初から、抽選に応募し続けているが、未だに「当選」の文字を見たことがない。3月中に購入できなければ、あきらめることも視野に入れているという。
「まだ手にしてもいないのに、PS5に冷めてきたというのが本音です。あんなに恋焦がれて、美麗の映像美を体験したくて、ワクワクしてプレイを夢見てきたのに……。もはや学生時代の就職活動みたいな感じ。不採用続きで感覚が麻痺してきたような状況です」(Aさん)
Aさんだけではない。今、こうした「落選」続きで心が折れて、PS5購入を断念するという人は少なくないようだ。都内の大学院に通う20代の男子学生・Bさんもその1人だ。
「あるとき『PS5当選』がTwitterのトレンドに入り、もしかしたら……と祈る思いでメールを確認したら、やっぱり今回もハズレでした。こんな状態になったのは、やはり転売ヤーのせいでしょう。絶対に許せません。彼らが未だに買い占めているとしか思えない。もう入手をあきらめて、Nintendo SwitchかPCを購入するのもありかもしれません」
実際、フリマサイトでは、PS5はおおよそ6万後半~7万円後半で売られている。PS5(ディスクドライブ付きモデル)の希望小売価格は、5万4978円(税込み)なので、かなり割高な価格で取引されていることになる。にもかかわらず「売り切れ」も散見される状態だ。当然、Bさんもこの状況を知っている。