ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が1月5日、米ラスベガスで開催された「CES 2022」で、PlayStation 5向けのVRデバイス「PlayStation VR2」について、スペックの一部を発表した。ファンからは期待の声があがる一方で、「VR(バーチャルリアリティ。仮想現実)」を取り巻く環境への不満の声も漏れ聞こえる。コンシューマー向けVRデバイスの最前線を追った。
「PlayStation VR2」が“進化”した部分
価格や発売時期、デザインなどは未公表だったものの、現行の「PlayStation VR」に比べ、より精細な映像表現が可能となることが明らかになった「PlayStation VR2」。ユーザーの視線を感知することで、より効率的に緻密で明細な映像表現が可能となるほか、ヘッドセットに内蔵されたモーターの振動によって“触覚”を使って映像やゲームを楽しむこともできるという。家庭用ゲーム事情に詳しいライターの藤井夏樹氏はこう話す。
「PlayStation VR2には、現行のPlayStation VRを遥かに上回る“没入感”が得られるのではないかと、かなり高い期待が寄せられています。またPlayStation VRの場合、PlayStation 4とヘッドセットを“プロセッサーユニット”と呼ばれる装置を介して接続するため、配線などが煩雑になってしまうという難点があったのですが、PlayStation VR2ではヘッドセットとPlayStation 5をケーブル1本でつなげられるというのも大きな進化です」
一方、ゲーム機本体との接続が不可欠な「PlayStation VR」シリーズに対し、ヘッドセット本体のみでVRを楽しめるデバイスとして、「OCULUS QUEST 2」も人気を集めている。開発元のFacebookがMetaと社名を変更したことを受け、今後は「META QUEST」のブランド名に変わっていくという。
「OCULUS QUEST 2」は、2020年10月に発売されたAndroidをベースとしたVRヘッドセットで、本体のみで映像やゲームを楽しむことが可能。内蔵ストレージ128GBモデルが3万7180円、256GBモデルが4万9280円となっている。
「QUEST 2は、ヘッドセットを装着すればすぐにその場でVRを楽しめる手軽さが最大のメリットでしょう。また昨年10月には『バイオハザード4』のVR版が、OCULUS QUEST 2専用ゲームとしてリリースされており、こういった人気シリーズの移植もQUEST 2の人気拡大を後押ししているようです」(藤井氏)