冷凍食品を活用すれば家族に食事の支度を任せられる
冷凍食品ジャーナリストの山本純子さんは冷凍食品を活用してほしいとアドバイスする。
「おかずやパスタ、ご飯ものなど種類は豊富にあるし、主菜と副菜がセットになった『ワンディッシュデリ』もある。何か1品でも冷食にして、生野菜や生卵、豆腐など冷凍にはない食材で、簡単に用意できるものを組み合わせるといい。
よく『冷凍食品では栄養が偏らないか』と聞かれますが、むしろ逆です。カロリーやたんぱく質、炭水化物、脂質などの栄養成分表示がきちんとされているから、1日の必要栄養素と比べて、『あとは卵を足せばいい』などと工夫しやすい」(山本さん)
調理に伴う手間もほとんどないため、家族に食事の支度を任せることも可能だ。
「冷凍餃子は、料理の経験がない人でもおいしく焼くことができます。わが家ではここ2年ほど夫の役割になっています。コロナ禍のテレワーク中の夫が何もせず、ただ夕飯を待っているのにイラッとして、『裏に書いてあるとおりにやればできるから』と伝えて焼いてもらったらその味のおいしいこと(笑い)。夫も得意げ。いまでは“これはレンジで?”と食事準備に参加しています」(山本さん)
積極的に家事を家族に手伝ってもらうためには、山本さんのように、“夫でもできそうなこと”から任せることが正解のようだ。
「料理が不得意な夫といきなり役割分担して、『あれをやっておいて』とお願いしてもうまくいきません。家族が楽しんで参加できるように“レジャー化”して手伝ってもらう方がスムーズです。たとえば、ホットプレートで料理を作るときに夫が参加できる環境をつくってみる。バーベキューを企画して、肉を焼いてもらったりするなど、相手が一緒にやりやすい要素を持ち込んでみるといいでしょう」(夏山さん)
手伝ってもらった後は、感謝の言葉を忘れずに伝えよう。
「多くの奥さんは、普段は『うちの夫は全然料理をしない』と文句を言うのに、たまに手伝ってもらうとついダメ出しをしてしまう。そこはぐっとこらえて、『このまま頑張れば、私より上手になるかも』なんておだてましょう。私もパートナーが作ってくれたら、簡単なものだったとしても拍手喝采。『やっぱりひと味違うわね』なんて言ってました(笑い)。できるだけ健康でいるために支え合うのが家族としての重要な役割。長い人生、体力も経済力も縮小していく中で女だけが調理を担い続けるのはあまりにも不平等です。一定の年齢になったら簡単な作り方を教えて、週に1~2回は夫に任せて料理を休む日を作り、助け合いながら生きていってほしい」(樋口さん)
生きることは食べること。毎日の生活に必要な料理だからこそ、上手に“手間抜き”しよう。
※女性セブン2022年9月15日号