共通の課題を抱える3人が、お互いの後継問題に言及したことがある。
アローラ氏が退任した後の2016年6月に開かれたソフトバンクGの株主総会に、社外取締役でもある永守氏と柳井氏が出席し、3人が顔を合わせた時のことだ。
発言を求められた柳井氏は、「後継者は孫さんみたいな人がなっちゃいけない。次の後継者はチーム経営でやっていく人でないと」と述べ、一方の永守氏もこう発言した。
「孫さんが60歳になったら辞めるなんて、僕はそもそも最初から『絶対辞めないな』と思っておりました」
カリスマ創業者だからこそ、悩みがわかるものなのかもしれない。森岡氏が語る。
「孫氏は60代と比較的若く、柳井氏も後継者と有力視されている執行役員の赤井田真希さんがまだ43歳で育成はこれから。2人も永守氏と同じく暫くはトップに居続けるでしょう」
永守氏と柳井氏に関しては、息子への世襲も取り沙汰されているが、2人ともその可能性を否定している。
※週刊ポスト2022年9月16・23日号