さらに、ゼロ金利政策により日本では資金調達のハードルも低くなっている。武者氏はこう言う。
「日本はゼロ金利に対して、米欧の金利は2~3%。利上げが進む米欧では借金をして株や不動産を買うためのコストが上がっているのに対し、金融緩和を続ける日本ではコストを安く抑えられる。日本円で借り入れするなどして、日本株に投資すればそれだけのリターンが期待できる。
株価が割安で上昇期待が大きいうえに、ゼロ金利で資金調達コストが低いという環境は世界のどこにもなく、すでに世界の不動産マネーが集中していますが、世界中の投資資金が魅力的な日本株に流入しても何ら不思議ではありません。そうした状況があるなかで、日経平均は2023年末から2024年にかけて4万円超えが期待できるでしょう」
日経平均が2万8000円を挟んで足踏みしている現状では、なかなか想像しにくいかもしれないが、上昇の素地は整っているというのだ。
証券アナリストの植木靖男氏も強気な見方だ。
「日経平均は年内に3万円を超え、来年9月頃には4万円になるとみています。そして、4万円ではとどまらず、もっと上がる可能性もある」
4万円超えまで「あと1年」とする指摘である。
植木氏は、「円安が続く限り、株価は上がり続ける」と語る。
「日銀の黒田東彦総裁の任期は来年4月なので、それまで円安は続き、来年には日経平均4万円が見えてくる展開になるとみています。まずはそれに向けた弾みになるのが今年9月でしょう。FRB(連邦準備制度理事会)がQT(量的引き締め)によって毎月950億ドル(約13兆円)もの資金を回収し始めるのに対し、日銀は金融緩和を続けるので、より円安が進むことになる。そうすれば、来年、再来年と株式市場は大盛況になるでしょう」