値上げラッシュはまだまだ続く。定食チェーンの「やよい軒」が9月1日から価格を改定した。同社によると、〈昨今の原材料価格の高騰及び、原油価格高騰に伴う輸送費、エネルギーコスト上昇の影響〉を受けてのことで、主な定食メニューは30円の値上げ、主な朝食と丼メニューは20円の値上げ。また、一部のサイドメニューについても10円から30円の値上げとなった。
いくつか例を挙げると、定番の「しょうが焼定食」は640円(税込み、以下同)から670円、「から揚げ定食」は690円から720円、「かつ丼」は680円から710円だ、朝食の「納豆定食」は350円から370円だ。
ごはんのおかわりが自由で、お漬物やお茶漬け用の“だし”も無料と、そのリーズナブルさで高い支持を得ているやよい軒も、昨今の値上げラッシュには逆らえなかった形だ。ネット上では嘆きの声も少なくない。
しかし、「値上げしてもやよい軒のコスパの良さは揺るがない」と話すのは、外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏だ。
「やよい軒の定食メニューは、もっとも安い670円の『しょうが焼定食』から1500円以上するものまで、価格の幅が広いことが特徴です。800円前後から900円前後のメニューが多いのですが、600円台、700円台のメニューも揃っているのは、消費者にとってはありがたいところ。特に『しょうが焼定食』の670円は、他のチェーンと比べても安いと思います」
やよい軒と並ぶ人気定食チェーン「大戸屋ごはん処」では、『熟成黒しょうが香る豚の生姜焼き定食』が890円。また、「日高屋」の『生姜焼き定食』は760円、「松屋」では『豚生姜焼定食』が730円だ。有名外食チェーンの“しょうが焼定食”の多くが、やよい軒よりも高いのだ。
「チェーン店のしょうが焼定食で670円というのは破格でしょう。その上、やよい軒はごはんのおかわりが自由で、漬物も食べ放題。現状、おかわり自由のシステムを導入している定食チェーンがほとんどないことを考慮すると、30円値上げしてもなお“もっともコスパがいい定食チェーン”と言えると思います」(小浦氏)