PCやスマホが普及した現代、ひと手間かかる「手書き」なら、手書きならではの温かみがあり、丁寧さや気持ちが伝わりやすいといったメリットもあるだろう。その反面、誤字や脱字があったり、字が汚かったりするわけではなく、手書きをしている事自体に疑問を呈される局面もあるようだ。ビジネスシーンで手書き対応したことで、想定外の事態に直面した人たちに話を聞いた。
手書きの履歴書で「PCスキル」を疑われた
メーカーに勤務する20代男性・Aさんは、転職活動していた頃、手書きした履歴書と職務経歴書を企業に提出していた。
「もちろんPCで作るのは簡単なのですが、新卒での就活時は、履歴書とエントリーシートは手書きが常識というか、マナーみたいな風潮がありました。ネットでも、“手書きのほうが、使い回しでないことがわかるので、熱意が伝わる”とか、“字でその人を判断されるから、丁寧な手書きが好印象”といった採用担当者の声をよく見かけたものです。なので、転職活動の時も手書きのほうがいいと信じていました」(Aさん)
ところがある面接で、Aさんは「手書き」について質問され、困惑したという。
「別に誤字や脱字があったわけでもないのですが、『なんで手書き? PCスキルに自信ないのかな? 前の会社ではどうしていたの?』『WordもExcelも使えないようだと、どこに行っても厳しいよ』などと言われました。よく考えたら、手書きで示せる熱意ってなんなんですかね……。それ以来、履歴書類はすべてPCで作成しています」(Aさん)