現在、多様化が進んでいるというのが副業の市場だ。「えっ、そんな仕事あるの!?」とビックリするような副業も増えているという。そこで、50才以上オーバーでも比較的挑戦しやすい、副業をいくつか紹介しよう。
主婦層を中心に人気が高い副業は「覆面調査」だ。飲食店やスーパー、エステなどを利用し、店員の接客や商品の状態などをチェックして報告する。報酬は1000~1万円程度と幅広い。調査員として、数々のレストランに潜入した田山直美さん(仮名・50才)が言う。
「入店直後の席への案内から、空いたお皿を下げるタイミング、店員の名札や会計時の様子まで細かくチェックします。慣れてくると店長の手腕までわかっておもしろいですよ。調査後に再訪したとき、問題点を報告したサービスが改善されているとうれしくなります」
ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんも「調査系」をすすめる。
「調査系の副業はアルバイト感覚で、運動と報酬の一石二鳥という人も多い。まずは“お試し”で挑戦してみて、向いていなければ別の副業を探せばいいんです」
もっとアクティブな人には、「お遍路代行」や「墓参り代行」がある。お遍路代行は、遠方に住んでいたり、足腰が悪いといった依頼者の代わりに、四国八十八か所を巡礼する。長丁場で体力がいる仕事だけに、報酬は10万~40万円と高め。墓参り代行も同様に、自分では墓参できない人に代わって掃除などを行う。報酬は1回5000円ほどだ。
神社仏閣の「御朱印」も副業になる。コレクターもいるようだが、遠方の人や体調が悪くて自分では参拝に行けない人が購入しているという。
「御朱印をフリマサイトなどに出品します。一生に一度は行ってみたいような場所は特に人気が高く、6000円ほどの高値が付くことも。有名な寺社の近くに住んでいる人にはチャンスがあります」(ファイナンシャルプランナー兼ライターの山野祐介さん)
高齢者にもチャンスが広がるのはテレビや広告などの「エキストラ」。芸能事務所などに所属し、テレビや映画、企業のプロモーションビデオなどのエキストラとして出演する。謝礼は時給1000~4000円が目安で、芸能人に会えたり有名ドラマに出演できたりというメリットがある。高齢化を反映して、シニアエキストラのニーズが増えていることも追い風になる。