西側諸国で起きるかもしれない危機は中国に伝染する可能性は低く、リーマンショックの時と同様、中国が危機修復の担い手として機能する可能性はあるだろう。
物価は安定しており、金融引き締めを強いられるような状況ではなく、実際、中国人民銀行は金融緩和を続けている。天候要因や、エネルギー産業政策と需要のミスマッチなどによるエネルギー不足は発生したが、欧州ほど深刻ではなく、また、一時的な現象である。そう考えると、中国経済の行く末について過度に警戒する必要はないのかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。