「国産の食品を買えばいい」では難しい
くま:エネルギー資源価格と急激な円安のせいで家計が大変になっちゃっているのか。ロシアの戦争は泥沼化していて先が見えない状態だね。日々の買い物が安く済むとか、何か上手い方法ってないのかな?
細野氏:結論から言うと、「生活費」に関しては、そういう魔法のような方法は難しいね。例えば輸入品は高くなっている状況だから「国産の食品を買えばいい」といった、「ざっくりとした答え」を出すこともできるけれど、現実はそこまで甘くないんだ。
それは、そもそも国産の商品は、生産者らを守るために、元々の値段が高くなっていたり、牛などの食べ物である飼料も基本的には海外から買っているからね。しかも日本国内の電気・ガス代が高いのは、国産の食品会社でも同じ状態だから、その分は、商品に上乗せする必要があるのは変わらないよね。だからこそ、大手の105社だけでも、10月には異例の6532品目もの「値上げ」が決まっているわけなんだよ。
くま:そうか。輸入品が高いのなら国産の商品を買う、というのは上手い方法だと思ったんだけど、そんなに簡単な話ではないんだね。それなら、このまま家計はどんどん苦しくなっていくのかな?
細野氏:確かに「いつもの買い物」だけの視点で見ると、自分が買い物をする店の広告をスマホなどで簡単にチェックする習慣を身に付け、目当ての商品が「特売品」に選ばれて、安くなった時に買うくらいしか、負担が小さくて有効な方法はなさそうだね。ただ、実は「家計管理」の視点で見ると、「家計そのもの」を改善できる方法は少なくないんだよ。
(第2回につづく)
【プロフィール】
細野真宏/経済ニュースをわかりやすく解説した“細野経済シリーズ”が、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録。首相管轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート』が発売以来13年連続完売するなど家計管理のプロとしても活躍。『家計ノート』2023年版も発売中。
※女性セブン2022年9月29日・10月6日号