給料は上がらず、物価ばかりが上昇して家計を締め付ける──そんな厳しい状況の中、一体どのように家計をやり繰りしたらいいのか。『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート』の著者で、家計管理のプロである細野真宏氏が、消費者代表のくまちゃんとの会話形式で解説する。今回は「サブスク(サブスクリプションサービス)」の賢い利用方法について。【全4回の第3回。第1回から読む】
細野氏:新型コロナの状況とともに以前よりも在宅時間が減ってきている家庭は増えているよね。その結果、サブスクに加入していても以前ほど使わなくなる状況が生まれているんだよ。そこで、自分がどんな「サブスク」のサービスに入っているのかを見直してみることからスタートする必要があるんだ。
実は、ここにも「家計の負担が増えていくワナ」があって、意外と入っていることを忘れていたり、知らなかったりする家庭も少なくないんだよ。これは、主に普段から「家計簿」をつけることで、支出を把握しているかどうかが、大きな分かれ道になっている場合が多いんだ。
例えば「スマートフォン代が高い」と思っている家庭がほとんどだと思うけれど、キチンと請求書を見ているかどうか。これは「家計簿」をつけることで「日々のお金の出入りを認識しているか」という習慣が身に付いているかどうかで、大きく分かれる傾向があるんだ。
「家計管理」が苦手な人は、出費を「ザル状態」にしていて、何となくのやり繰りで済ませてしまっているんだよ。その結果、スマートフォンの契約時に「これは最初の1か月間だけは無料なので付けておきましょう」という提案に乗っかったりすることで、そのサービスを使わないのに解約をせずに放置して、そのまま2か月目以降の「サブスク」の代金を支払い続けていたりするケースが意外と多くあるんだ。
くま:携帯電話の契約は複雑で、最初にお得なサービスも紹介されて、1か月以内なら、いつ解約しても無料、という話はよく出るね。家計管理の習慣がないと、細かいことを覚えられないから携帯電話の料金と一緒に、自分が使っていないサブスクの料金まで支払い続けているのかもしれないのか……。
細野氏:そういうことだね。そもそも「家計簿」をつけるというと、非常にハードルが高い気がしてしまうのは、やり方に問題があるんだ。例えば『家計ノート』の場合は、「レシート1枚につき1行」で済むようにしていて、「1日3分」だけでしっかりと家計管理ができるようになっているんだ。
そして、この「家計管理の習慣」を普段から身に付けておけば、大きな請求書には目を通してチェックすることで、決して「ザル状態」にならずに済み、思わぬ無駄な出費を防げるんだよ。